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ユニバーサルデザインとは何ですか?
日本ユニバーサルデザイン研究会
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 「出来ない人はいない。すべての人は“違ったやり方”で必ず出来る」,身体障害をもつ米国の建築家ロンメイスが,バリアフリーデザインに代わるものとして,ユニバーサルデザインを提唱しました。できる限り多くの人々が利用可能となるように,製品,建物,環境のデザインを訴えたのです。ヨーロッパでは,インクルーシブ・デザインとも呼称しています。基本コンセプトには,原則といったものはなく,デザインプロセスにおいて,利用者の参加と,その結果による生活向上を重視しています。本研究会の立場は,ヨーロッパの考えに近いと言えます。
 ユニバーサルデザインやインクルーシブデザインの考え方は,目新しいものではありません。生活の中にあるごくあたりまえの,子供,女性,高齢者,障害者,病者と共に生きる,といった考え方です。それが日本で実現されないのは,技術やデザインの問題ではありません。メーカーの意識の低さと社会的責任のなさ,行政の生活者に対する無理解,行政の組織防衛のための明らかな不作為,障害者・高齢者政策の非合理性、社会システムの非効率性,ユーザーの行政依存体質と無関心,生活者からのフードバック情報の情報の欠落と散逸,などが原因です。
 この問題を解決するためには,サービス,製品,環境デザインの評価を,生活者自身が決定し,それを選択するシステムの模索が必要です。他方では,常により多くの人々を包含できるような物づくり,環境づくりを希求するために,生活者の要求を,作り手にフィードバックすること,そのサイクルを活発にすることが必要です。日本の社会にユニバーサルデザインを真に根付かせるためには,まだまだ大きな課題があると考えています。
 「ユニバーサルデザイン」をあてはめたものとして,日本で広く知られているものに文房具があります。しかし個々の製品デザインとしてユニバーサルデザインのコンセプトを矮小化するよりも,高齢者の自立と,社会参加を促進させて,社会を活性化するためにデザインを利用することが重要です。生活者を中心とした思想を根づかせて,生活者の知恵と財産を,次世代にうまく手渡すようなしくみを作らなければならないと思います。 

参考文献:
川崎和男:「日本独自のユニバーサルデザインのあり方」,特集バリアフリーとユニバーサルデザイン,情報の科学と技術,50巻3号,118-13,2000.

ユニバーサルデザインの例(1) ユニバーサルデザインの例(2)
写真1.ユニバーサルデザインの例(1) 写真2.ユニバーサルデザインの例(2)
歩行者用の信号機押しボタン(パース市/オーストラリア)
  • 視覚障害者でも触って押せるほど大きく,目につく。
  • 中央分離帯にもあるので,途中で信号がかわっても安心
  • 黄色と青と白とボタン
見かけは普通の靴とかわらない(日本製)
  • 着脱が容易で,履きやすい。補装具を使用した場合でもそのまま使用可能。
ユニバーサルデザインの例(3) ユニバーサルデザインの悪い例
写真3.ユニバーサルデザインの例(3) 写真4.ユニバーサルデザインの悪い例
オランダのバス
撮影:白石正明
バス運転手が操作し、車椅子を固定する。
(車いす利用者が乗降に多くの時間をとる)
撮影:白石正明

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