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研究会の各メンバーからの意見・提案をホームページ上で公開することにしました。主に,基本となる理念や社会における問題点とそれに対する意見・提案を各自の立場から発表しております。
デザインはあくまでも問題解決の手段の一つであり,個別の製品デザインの評論・評価をすることは,我々の求めている最終目的ではありません。ユニバーサルデザインの考え方が生活者の生きる満足度をどれだけ充足させたか,生活をどれだけ豊かにしているかを問題としております。生活者側主導で評価と改善システムを社会に組み入れ,継続的で発展的なシステム構築を促進することにあると考えております。
| 基 幹 部 |
I 生命・人間・文化の理解
II ユニバーサルデザイン論
| 各 論 部 |
III 外国との比較
IV 交通・歩行・移動
V 健康・医療・福祉
VI 教育
VII 製品・環境
VIII 資料 佐々木昭彦
【I 人間・文化の理解】
分野間の連携で何が大切か −ユニバーサルな現象・老いと死−
永田久雄(産業安全研究所・研究部長)
<詳細はこちら日本語>
Detail in English
2004年10月に高齢者問題に関する国際会議 「Toward a New Perspective from Ageing to Ageing Well」がカナダのモントリオールで開催された。この会議での講演内容で,ユニバーサルデザインの根源的な部分を説明するために,高齢社会において何を重視しなければいけないかを訴えたものです。
【II ユニバーサルデザイン論】
II-1 生活者中心の製品・生活環境づくりを促進するために−生活者の評価に基づく改善システムの定着が必要−
永田久雄 (産業安全研究所・研究部長)
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1960年代にスエーデンで始まったノーマライゼーション,アメリカのADA法(バリアフリー法)などの高齢者,障害者の民主化と権利拡大の運動の流れのなかでデザイン手法として,デザイナーの中からバリアフリーデザインなどのコンセプトが生まれ,さらに,理想的なものづくりのユニバーサルデザインが生まれてきた。しかし,日本に紹介され広がっているコンセプトが,経済産業省や産業界が主導したものであり,生活者側からの評価によるユニバーサルデザイン運動は非常に弱いように見えます。これからは,高齢者の自立と社会参加をめざし,生活者の評価に基づく改善システムの定着が必要です。
II-2 ユニバーサルデザインの評価:バリアー,ユーザー,情報伝達
佐々木昭彦(福島県保健福祉部健康増進グループ・医師)
渡辺由美子 (前福島県立医科大学医学部衛生学講座・メイクセラピスト)
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ユニバーサルデザインの必要とされた経緯,バリアのとらえ方,ユーザーの理解,選択できるオプション,公称の認証システム,評価事例,という視点から整理したものです。
【III 外国との比較】
III-1 バリア対処法としてのユニバーサルデザイン--イタリアの事例
佐々木昭彦(福島県保健福祉部健康増進グループ・医師)
渡辺由美子 (前福島県立医科大学医学部衛生学講座・メイクセラピスト)
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バリアの一律な排除は,ユーザーを受け身にする。一方,バリアを排除できなければ,ユーザーの自助努力が求められる。イタリアのユーザーは,社会システムに依存せず,さまざまの人の手により柔軟に解決している。これは誰にでも便利となるように,ユーザーとバリアとの関係を再設定するアプローチであり,ハード依存のバリアフリーとは異なる「やわらかなユニバーサルデザイン」といえる。
III-2 オーストラリアとの違い--ユニバーサルデザイン&エルゴノミクス/人間工学
山川ミハル(Optimergonomics・理学療法士)
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オーストラリアのパースにある大学の理学療法士科で勉強した私にとっては,「ユニバーサルデザイン」と言う言葉は,真新しい概念だった。オーストラリアでは,どちらかというと英国式の制度をさまざまな分野で応用している。教育や医療の分野も例外ではない。日本のエルゴノミクス分野で驚くのは,エンジニアからの関与が大きく,看護士を除くと医療従事者からの関与がとても限られていること。オーストラリアでは,エルゴノミクスの分野でも理学療法士や作業療法士などが幅広く活躍しているが,日本の理学療法士教育でエルゴノミクスが取り扱われることもあまりない。この現状の問題点を検討した。
III-3 イタリアの街:人がつくるユニバーサルデザイン
渡辺由美子 (前福島県立医科大学医学部衛生学講座・メイクセラピスト)
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「英語圏」のユニバーサルデザインに対して, 一見,ダメそうなイタリアから,別のアプローチを考えたもの。人の生活と観光の両立は,こわすだけ(あるいは新しいだけ)のユニバーサルデザインに対するオプションとなる可能性があります。既存施設の保存と,イノベーションという21世紀的な展開が望まれます。情報と合意はそのキーになると思います。
【IV 交通・歩行移動環境】
IV-1 『低床バスは誰のため,何のため?』〜日本と欧米のデザインの格差〜
白石正明(国際プロダクテイブエージング・研究所長)
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「低床バス」の導入が日本でもなされるようになったが,本当は「何のため」だったのでしょうか。日本の場合は一般的には「車いす利用者のため」と認識されているのではないでしょうか。そこに違いが生まれています。仮に日本における低床バス導入の第一の目的が,障害をもつ人々の社会参加の促進にあったとしても良い。しかし「公共交通機関」であることの意識,人間の心の理解があったならこんなデザインになる筈がない。ユニバーサルデザインは人びとと社会のニーズに最大限応えようとする理念である。如何に広く深くニーズを知るかがデザインの質を左右する。ハード・ソフトを含め企画,設計をする人々は万能ではない。社会の人々との協働が不可欠。特にUDを志す人々の責任は大きい。このMLも社会の意識変革を進める一翼を担う立場にあるのではなかろうか。
IV-2 高齢者の交通事故実態と問題点
西田 泰(科学警察研究所・交通科学第二研究室長)
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交通事故の実態調査結果から,その問題点を述べています。現在,高齢者人口の増加とともに,高齢者が関わる交通事故が増えてゆく傾向にあります。それも,高齢者が被害者としてだけでなく,加害者としての高齢者事故が問題となっています。若者の交通事故が多いことから,高齢者の心身機能が劣ることだけが事故原因ではありません。新の交通安全対策は,高齢者の視覚機能などだけでなく,交通行動,社会行動などを含めた総合的な視点から取り組む必要があります。
IV-3 人はなぜ道路でひかれるのか−安全を志向しないバリアフリー
佐々木昭彦(福島県保健福祉部健康増進グループ・医師)
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バリアフリーが安全を形成するとは思われていない。しかし,安全を志向しないバリアフリーは,リスク予防の効果を大幅に低下させる。自動車のためのバリアフリーが横断歩道橋であり,歩行者にとってはバリアでしかない。バリアフリー法の形骸化と,バリアフリー設備のバリア化は,安全の面からも今後の問題となろう。道路問題から,バリアフリー設備と環境の特徴を分析し,その対応を検討しています。
IV-4 高齢者と交通機関の安全−高齢者の通勤途上での転倒−階段があぶない
永田久雄 (産業安全研究所・研究部長)
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Detail in English
転倒,転落による死亡者は,年間6328人(2002年)にのぼり,そのうち8割以上が60歳以上の高齢者です。交通機関の安全とは何か,といった議論は十分になされていません。そこで60歳以上の高齢労働者にアンケート調査を実施し,その結果から「駅の階段」での転落リスクが特に高いことが指摘されました。また,安全な歩行を確保するために,環境づくりを利用者側から見直すことが求められます。
【V 健康・医療・福祉】
V-1 高齢者の化粧---カナダ・モントリオール
渡辺由美子 (前福島県立医科大学医学部衛生学講座・メイクセラピスト)
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今回紹介したモントリオールをはじめとして西欧では,年齢や生活条件に関係なく,誰もが快適に生活するための手段として,化粧が使われている。しかし,日本では化粧の効果が認められつつあるが,社会の暗黙のルールや人間関係のために,有効に利用されていない。ユニバーサルデザインがモノだけでなく,人の心にも浸透するような社会を目指すためには,化粧をはじめとする日常習慣を,自由に選択しやすくすることが必要といえます。美し高齢社会の実現を,自らの手で!
V-2 高齢者や患者の化粧とユニバーサルデザイン:高齢社会の情報共有の例
佐々木 昭彦(福島県保健福祉部健康増進グループ)
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一見,ユニバーサルデザインと疎遠そうな化粧を例として,高齢社会がユニバーサルであるためには,何が必要かを分析したもの。永田氏の主張を,調査と論理から裏付けたものです。
V-3 「ユニバーサルデザイン」と「ケア」−「共感すること」を学べる環境づくりに向けた取り組み
新田淳子(ケアデザイナー・作業療法士)
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「ケア」を行う上で、対象者への「共感」は、「ケア」が適切なものとなるのに不可欠であるが、これがなかなか難しい。もし、自分がケアを受ける立場なら、本当に受けたい「サービス」、ほしい「モノ」はどのようなものなのか。パトリシア・ムーアさんが「3年間老人だった」体験や、自分自身の生い立ちを通じて伝えたかったことは、大切なひとへの「愛情」や「共感」が、「歳をとることageing」を理解し、感じ取る上で、とても大きな意味をもつということではないかと思う。ユニバーサルデザインの本質の一つには、「愛情」があると、感じている。「愛」と聞くと、「え?」と思う方もいるかもしれないが、「私の大切な人」がいるからこそ、その「ひと」が使いやすいように、という配慮や、工夫が生じてくるのではないだろうか。そうした発想や行動のために、鍵となる「気づき」を育てていくことが重要と考えている。
V-4 介護現場とユニバーサルデザイン
児玉祐子((東大阪市社会福祉事業団,社会福祉士,一級建築士)
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環境を整えるよりもまずマンパワーでカバーする、そんな日本の介護現場を福祉と建築、両者の視点の違いから介護現場を見直してみた。超高齢社会へまっしぐらの日本が大急ぎでしなければならないことってどんなことなのかみんなが危機感をもって考える必要がある。
【VI 教育】
VI-1 ユニバーサルデザイン教育について
東畠弘子(福祉用具ジャーナリスト)
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ユニバーサルデザイン関する教育では,その体系化がなされていないことを「なんだかヘンだぞ」と思う。社会福祉士の合格率は3割程度である。福祉分野で実際に勉強する学生にとって,そして教える教員にとっても,社会福祉士合格が福祉系大学の「評価」となっている現在,出題基準は意識せざるを得ない。筆者が目にした限りでは,この出題基準の中にユニバーサルデザインが見当たらない。ユニバーサルデザインに関して積極的に発言しているのは,産業界である。工業デザイナーやメーカーの技術者からの発言は聞くが,福祉系の教員や研究者からの積極的な声は聞かれない。ユニバーサルデザイン理念は障害者福祉論などを通じて繰り返し,教え込まれる。しかし,具体の形にまで至らないような気がする。だからこそ,ユニバーサルデザイン教育が必要である。
【VII 製品・環境づくり】
VII-1
渡邊尚洋(沖電気工業株式会社)
執筆予定
【VIII 資料】
VIII-1 バリアフリーは進化したか
VIII-2 ローマの券売機に関するトラブル事例集
VIII-3 都道府県が実施しているユニバーサルデザイン関連の事業や活動
佐々木 昭彦(福島県保健福祉部健康増進グループ)
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